司法書士vsDXサービス
司法書士 森谷崇継(もりやたかつぐ)です。
北海道北見市にて司法書士を生業にする者です。
他士業の業際を悪気もなく侵す士業やDX化サービス(自動書類作成)と緻密な確認義務が課せられた司法書士、この先どちらに軍配が上がるのか。
まずもって、業際を侵す他士業はそもそも論外。
叩ける部分は無限にある。
司法書士会はもっと取り締まりに力を入れてください。
無秩序士業は相手じゃない。
次に、自動書類作成なるDX化サービス。
元々この手のサービスを好んで利用する時点で司法書士とは縁がない可能性がある。
当職も「安かろう悪かろう好きにすれば?」のスタンスだ。
コミュニケーションコストなんざ、この時代メールやラインでいいじゃないと思うが、色々と敷居の高さを感じるのだろう、残念ながら司法書士の広報不足だ。
縁がない相手との棲み分けが利いて良いという側面があれば、登記簿の診察がない側面もあり、登記制度の観点でいうと相反するのかなと思う。まぁ、利用者側に実態の重要性(不正な登記、無効な登記の作出)、付随する登記の見過し等の概念が存在しないわけで、結果的にDXサービスの利益的な面だけが見えてしまう。
本人申請なので本人の責任ですと、DXサービス側は何の責任を持たないだろう。
そして、DXサービス側には、何の確認義務も課せられていない以上、悪意ある者による不正な登記の作出を防止する手立てはない。結果、形式的審査権しか有さない法務局を欺く形となる。当然DXサービスは、司法書士と同様の有償サービスだ。
司法書士に頼めば、何かと確認作業を強いられる。
その分、登記簿の診察から実態の反映の有効性まで面倒を見てくれる。
だがしかし、利用者にとってはそこは重要ではないのだ。笑
早くて、安いほうがいい!ただそれだけ。
実際のところ司法書士のほうが早いし、金額もさほど変わらない。
shihoshoshimoriya.hatenablog.com
本人申請キット(必要となる収入印紙や申請書の完成形を郵送する)とかいうサービスを付けることで更に費用が掛かるわけで、結果DXサービスのほうが高くつくんじゃないか?とまぁ、これは司法書士側-専門職の意見でしかない。
なので、利用者のサーチ/アクセス能力不足を取り上げるべきではないんでしょうね。
国-制度が利用者の求めていないことを専門職である司法書士に強いて、利用者が求めていることをDXサービスが提供する。
こんなもん司法書士は負けますよ。
法務局に実質的審査権を付与する、添付書類を滅茶苦茶面倒にする、DXサービス側に義務を課するとか何かしないと、終わりじゃないですか?
DXサービスがどれだけ最先端/次世代ぶっても、情報の提供・補填をしてあげるのではなく、情報の弱い部分をついた商売であることが専門職と大きく乖離する部分だ。そんなビジネスに司法書士が追い込まれる時点で制度から見直しが必要な気がします。
便利になることは良いことです。司法書士としても喜ばしいです。
無償で完璧な診察までなされるサービスなら尚更。
登記の話はまず司法書士に。
北見市、網走市、紋別市等、道東全域カバーしてます。
連絡は、shihoshoshi.moriya.t@gmail.com まで。